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すっぽんの歴史や逸話

古代のすっぽん

すっぽんは人類が生まれるよりもはるか昔から存在している動物です。
日本の石川県で1億年以上前の地層から恐竜の化石とともにすっぽんの化石も発見されたのですが、専門家の調査により、今とほとんど姿かたちが変わらないことが判明しています。

すっぽん料理の歴史は中国から

すっぽんが初めて歴史に登場するのは中国です。
中国では3000年前にはもうすでにすっぽんは食べられていたといわれています。
紀元前1046年から紀元前256年に存在した国家「周」の制度について書かれた「周礼」にはすっぽん料理専門の料理人である「鼈人」という役職があったとされています。

「食指が動く」とすっぽん

また、現代でもよくつかわれる「食指が動く」という言葉も昔の中国のすっぽんにまつわるエピソードが基になっています。

紀元前600年ごろ、鄭国の子公(子公)という人物が君主である霊公(れいこう)に会いに行きました。その時、自身の人差し指がぴくりと動いたので、一緒にいた子家(しか)という人物に「自分の人差し指がこうなったときは必ず御馳走にありつける」と言いました。
そして実際に霊公の屋敷に向かうと料理人たちがすっぽんを捌いていたので、二人は顔を見合わせて笑いました。
このことから物事に対し興味や欲望が湧くことを「食指(人差し指のこと)が動く」というようになりました。

日本におけるすっぽんの歴史

日本では弥生時代の貝塚の遺跡からすっぽんの化石が多数出土していて、この頃から食べられていたとされています。
「続日本紀」には697年に白いすっぽんが文武天皇に献上されたという記述があります。
しかし、実際によく食べられるようになったのは江戸時代になってからといわれています。

江戸時代のすっぽん料理文化

煮物や惣菜などを売っている煮売り屋などで茹でたすっぽんが良く売られていました。
江戸時代の初期のころはすっぽんは高級食材というわけではなく、庶民でも気軽に食べられるものだったようで、その味と滋養教効果の高さから人気がありました。
しかし当時は養殖は行っておらずすべて天然物のみだったため、時代が進むにつれ供給が需要に追い付かなくなり、江戸時代後期には今のような高級食材のような立ち位置になったようです。

すっぽんの怪談

すっぽんを妖怪として扱う伝承も多く作られました。
北陸地方の怪談を集めた「北越奇談」という書物にはすっぽん料理屋を営んでいた人が大量のすっぽんの霊に憑りつかれるという話があります。
また「善悪因果集」という書物には井戸に包丁を落とした料理人がすっぽんに対して「持ってきてくれたら助命する」と騙して取りに行かせ、戻ってきたすっぽんを捌いてしまい、その後祟られたといった話が収録されています。

日本ですっぽんの養殖が始まったのは明治時代から

すっぽん人気の高まりによりその数を減らしてしまったすっぽんですが、明治時代から養殖事業が始まります。
すっぽん養殖を日本で初めて行ったのは服部倉治郎という人物です。川魚商を営んでいた倉治郎は本業と並行して川で獲れる魚介類の養殖の研究も行っていて、すっぽん養殖もその中の一つでした。
はじめは東京の深川で養殖を行っていましたが、その後静岡県の浜名湖周辺の気候がすっぽん養殖に適していると判断し、浜名湖周辺に大規模なすっぽん養殖場を作り、本格的に事業を開始しました。
その後、日本各地ですっぽん養殖が始まり、現在の養殖物中心のすっぽん市場が出来上がりました。